〜現代アートとノイズの夕べ〜

灰野敬二、森下泰輔は、70年代、まだノイズというジャンルが 確 立していなかった頃より、
ノイジーなサイケデリック、トリップ・ ミュージック、ネオ民族音楽、インプロビゼーション音楽を推進 してき た。
これらの動向は単に前衛的な音楽シーンというに留まらず、
現代音 楽、より広義には現代アートの運動として再評価されてきている。

今回 はビザール・ロックの新遺伝子、DARKSIDE MORRORSに裸のラリーズ のヴィジュアル担当だった
宇治晶の映像を交え、あの広末涼子、日本アカデ ミー賞新人賞受賞作「20世紀ノスタルジア」
(第38回日本映画監督協会 新人賞受賞)の監督・原將人による特別映像インスタレーションもあり、
ノイズ、ロック、映像、アートのコラボレーションとなる。
初台現代音楽祭は、ここから新たなアート史を創生すべく企画された。

   

〜現代アートとノイズの夕べ〜
-- HATSUDAI CONTEMPORARY MUSIC FESTIVAL Vol.5 --

灰野敬二 Keiji Haino
アヴァンギャルド・ノイズアーティスト。ソニックユースのサースト
ン・ムーアをはじめ、彼を信奉するミュージシャンは世界的に数多い、
主にギター、ヴォーカル、ほかにもハーディガーディー等、民族楽器を
含めた100種類にも及ぶ楽器を演奏する。

森下泰輔 Taisuke Morishita
現代美術家。武蔵野美術大学在学中にYELLOWを結成。1972
年間章プロデュース「新潟現代音楽祭」でデビュー。75年裸のラ
リーズ、水谷孝とセッションした「ラリーズハウス・セッション」など
がCD化されている。80年代にはビデオアートを制作。ドイ
ツ、ZKM(メディアアート美術館)に作品が収蔵されている。銀
座芸術研究所ディレクター。

DARKSIDE MIRRORS
パンクロック、ガレージ、サイケデリック等の影響を受けながらも、自
身のセンスと肉体感覚が認める物のみを審美しまくった結果、創り出す
のは全く新しい残虐ポップと漆黒のロックンロールの空間。

宇治晶 Akira Uji
アーティスト。多摩美術大学在学中より裸のラリーズのVJとして
数多くのライヴに参加。最近では、韓国のノイズユニット10
(Itta & Marqid)、舞踏家岡佐和香とのコラボ、そしてDarkside
MirrorsのVJとして活動中。ここ数年はレンチキュラーを素材と
し、複数の画像を同じに見せる事で脳をオーバーヒートさせ目眩を誘導
する作品を発表している。

 

原將人 HARA MASATO
1950年東京生まれ。高校在学中に製作した『おかしさに彩られた悲しみ
のバラード』('68)で東京フィルムアートフェスティバルのグラ
ンプリ&ATG賞を受賞。その後、『初国知所之天皇』('73)
の製作・ライブ上映を経て、映画の神話性と身体構造を確
立。'97年、35ミリ劇場用映画『20世紀ノスタルジア』
を発表、日本映画監督協会新人賞を受賞。'02年ライブ映画
『MI・TA・RI!』でフランクフルト国際映画祭観客
賞。現在、『あなたにゐてほしい』を完成。3面マルチライブ映画『マ
テリアル&メモリーズ』を展開中。

 原將人/マテリアル&メモリーズ
『マテリアル&メモリーズ』は、世界はイメージで出来上がっていると
いうベルクソンの言葉に啓示を受けて作られた、前人未到のライブ映
画。映画のなかで唯一、自由な速度で映写することのできる8ミリを3
台使い、シネスコ画面に、音楽を奏でるように見る者の記憶を揺さぶ
る、まばゆい夢のような映像が展開される。

 

▼後藤人基(アケト) Hitoki Goto (AKETO)
70年代のあらゆるもの、エスニック、エクスタシス、シャーマン、サイ
ケデリック、ブルース、プログレッシブ、自然回帰、祭り、祈りへの覚
醒、アケト幻想、時の旅、そして地平線の彼方にあったものは? そこ
に見いだしたものは? AKETO (アケト、古代エジプト語ヒエロ
グリフの地平線の意。)

菅間圭子 Keiko Kamma
アーティスト。ペインティングやインスタレーション、パフォーマンス
を主軸にした作業を展開。ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、日本等の
アート/パフォーマンスフェスティバルに多数参加。互いの関連
性が希薄な写真、絵画、言語、サウンド、映像、物質などを同時に展示
し、それぞれの持つ意味や視覚的、聴覚的印象を混線させることによっ
て新たな空間を創造する。1997年にスタートした「ミラージュ・
プロジェクト」では、一貫してある種の「放置」状況を提示。そこに観
客みずからが意味づけしていくように促すことによって、観客の意識そ
のものを作品に取り込む。